スウェーデンではスウェーデン語が公用語ですが、実はスウェーデンに住む多くの方は英語が流暢で、旅行ならほぼ英語だけで通用します。
私が初めて北欧を訪れたのは2010年の夏頃でしたが、都市だけでなく、小さな町を訪れても英語が通用することには驚きました。都市や若い人だけでなく小さな田舎町に住む高齢の方々とも問題なく意思の疎通ができ、それまで訪れた他国との違いを感じました。
ところが。2014年に移住者として生活を始めると、語学の壁を非常に強く感じることになりました。というのは、人々との交流では普通に英語が通じるのに、いざ「生活する」となると公共施設の案内や、「移民のための情報冊子」などもなぜか全てスウェーデン語表記のみ(近年は、英語やアラビア語表記を中心に増えてきているようですが、日本語案内は全くありません・・悲)。当時は肝心な生活情報などを得ることに分厚い壁を感じていたのを思い出します。
幸い、移住して2か月後には移民のために用意された語学学校へ通い始めることができましたが、当時の私は、デンマークに住むのかスウェーデンに住むのかギリギリまで決まらなかったこともあって渡航前に事前勉強を全くしておらず、スウェーデン語知識ゼロの状態でした。
ちなみにこの、移民のための語学学校はSFI(Svenska För Invandrare)と呼ばれ、移住後にパーソナルナンバーが発行されると、無償で通うことができます。レベルはA,B,C,Dと分かれていて、出身地や学歴などから振り分けされます。私はCコースからスタートしましたが、クラスメイトは主に大卒で、ほぼ全員スウェーデン語初心者でした。
クラスメイトは総勢30名ほど。全員がスウェーデン語初心者で、驚くことに全員バラバラの地域、全世界から集まっていました。
夏休み前やクリスマス休暇前などの節目には、学校内の食堂でパーティーも開かれました!
それまで短期留学でオーストラリア、中期留学でアメリカミネソタ州、長期留学でイタリアを訪れ、それぞれの国で語学学校へ通いましたが、一度にあれだけ多種多様な地域から集まった人たちに出会ったのは初めてでした。まさに世界の縮図。私はいつからか「全世界の人たちと出会いたい」という夢を持っていたのですが、まさかそれがスウェーデンのマルメで叶うとは想像もしていませんでした。スウェーデンは本当に移民が多い国なので、まさに「人種のるつぼ」だなぁと感じます。
それぞれ移住の理由を聞くと、大半はパートナーや家族に伴う移住、そして、出身地域の紛争や政治的な理由など。文化も習慣も常識も異なる地域から集まっていると、授業中もいろいろなことがカオスだったけど、なんだかそれが妙に新鮮で楽しかったことを思い出します。「スウェーデンに来たばかりの移民で、言葉が分からない!」という共通の境遇から、語学学校ではクラスメイトと友達になりやすく、9年経過した現在でも複数の友人たちと交流しています。
ただ、スウェーデン語の勉強には非常に苦労しました。当時の私は精神疾患を抱えていたことも影響していたのですが、更に北欧言語はマイナー言語のため、教材や情報も少なく、当時は外国人学習者向けテキストもほとんど無くて(あったとしてもスウェーデン語表記のみ)、授業で渡されるプリントでの学習のみで、体系的に学ぶことができなかったことが非常に大変でした。
現在はとても分かりやすくまとまったテキストも出版されているため、後日、スウェーデン語の勉強に役立った学習教材や勉強法を改めて記事にしたいと思います。
コメント